活用事例

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更生分野
2019/04/04

ダンビー工法現場最前線

活用事例

本稿は日本下水道新聞(平成31年3月20日)掲載記事を転載させていただきました。

仙台市合流幹線耐震化工事
屈曲12度含む難現場施工・東北地方で初の曲線部材

耐震化工事で更生工法

仙台市建設局では平成28年度を当初とする5カ年の下水道総合地震対策を策定し、管内調査や診断結果を基に市内重要幹線の耐震化工事を鋭意進めている。具体的には、当初目標で管路耐震化工事延長 9.8km、耐震化率40.6%を掲げており、平成31年3月現在、いずれも当初目標を超える進捗見込みで、32年度末には工事延長10.1km、耐震化率43%に達する見込みだという。

同計画に基づく管路耐震化工事では、主にφ800以上の大口径管が対象となっており、そうした大口径管での耐震化工事においては「工法によっては水深条件次第で供用下施工が可能な点、さらには経済性等を総合的に評価し、当市では管きょ更生工法(複合管設計)を採用している。また、南蒲生浄化センターへ通ずる幹線など流量が多く、水替えや管きょ更生工法では対応が困難な現場では、バイパス幹線の築造を計画するなどして、総合的に管路耐震化に取り組んでいる。(水谷哲也建設局下水道事業部管路建設課長)」と話す。

屈曲12度の難現場

屈曲角12度の難現場(施工前)
屈曲角12度の難現場(施工前)

「河原町二丁目地区合流管耐震化工事(更生工法)」では、既設管路が、JR東北本線近傍に布設された合流管(φ1000×48.75m、ヒューム管)であり、流域に医療施設が存在し、緊急輸送路下にあることから、特に重要な路線に指定されている。同管路は布設後51年が経過しており、更に埋設深さが1.7mと浅いため基盤面に達しておらず、耐震基準を満たしていないことから今回の耐震化工事に着手していた。

当初は標準的な耐震化の施工と考えられていたが、実際の施工に際しては、スパン中に屈曲角12度の箇所を含むことから、「 既設のヒューム管の継手部を鋭角に加工し現場でつなぎ合わせたような構造で、屈曲角度が厳しく対応できる工法が非常に限られていた(粟嶋保之同課工事第二係主任)」と現場の状況を話す。

曲線用ストリップを導入

当初は他工法で設計を行っていたものの、施工業者からの提案に基づき、急曲線・屈曲施工用更生材(曲線用ストリップ)を用いてダンビー工法で施工を行うケースで試算したところ、「当初設計以上の経済性と既設管との一体構造による優れた耐震性が確認できたことから設計変更を承認、同工法で耐震化工事が行われることとなった(水谷課長)」という。

今回の現場では直線箇所では通常のストリップで行い、屈曲部に差し掛かると曲線ストリップに切替え、製管作業を実施した。事前の補強鉄筋工や製管後の裏込材充填工等含め、約10日間でスムーズに完工したという。2月末に竣工検査が行われ、現場に立ち会っての所感を伺うと「更生管内面の平滑性や流下能力についても良好な結果が示されている。今回の現場が曲線用ストリップの初導入だったが、仕上がりに満足している(粟嶋主任)」と評価した。

屈曲に追従し更生(施工後)
屈曲に追従し更生(施工後)

施工者の声

新部材導入、初の試み

長谷川建設常務取締役 長谷川強氏
今回、「河原町二丁目地区合流管耐震化工事(更生工法)」で、東北地方で初めて曲線用ストリップによる管きょ更生工事を行いました。昨年3月の日本下水道新技術機構の建設技術審査証明で変更取得したばかりの新部材を導入する試みであり、導入に際しては発注者と慎重に細部を詰めつつ設計変更の協議を行いました。円形管の場合、継手屈曲部12度、曲線部5DRまで対応できるのは提案する側としては強みに感じます。

工事を進める上では、現場は昔ながらの閑静な住宅街で、本工事は夜間工事であったため騒音対策を心がけたほか、人通りも多いため安全対策には細心の注意を払いました。

また現場は合流管のため、降雨情報のモニタリングなど、現場作業員の安全管理にも気を配りつつ進めました。無事故無災害で無事完工を迎えることができました。