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下水道分野 更生分野
2016/07/05

小田原駅前の老朽化した下水道管路を更新するEX工法

活用事例

下水道長寿命化支援制度

我が国の下水道普及率は、平成25年末には77%(人口普及率)に達し、管路延長は約46万㎞、処理場数は約2,200箇所を上回る。下水道施設が増大する一方で、管路の老朽化による問題も増加している。道路の陥没や漏水による地下水や土壌の汚染などの問題である。このため国土交通省は、昭和40年から平成10年代に集中的に整備された施設が老朽化することを想定して、「下水道長寿命化支援制度」を平成20年度に創設した。これにより、下水道管路の更新工事が補助対象になり、各自治体で更新工事がやりやすくなった。

EX工法による試験施工

神奈川県小田原市もこの制度を利用して、老朽化した下水道管路の更新工事を進める自治体の一つである。同市においても布設後50年を迎える管路が年々増加し、平成40年には約140㎞に達すると想定されている。このため同市は5ヵ年の下水道長寿命化計画を策定し、平成25年に支援制度の認可を受けた。現在、更新工事を本格化させている。
小田原市の中でもとくに老朽化した下水道管路が多いのが小田原駅周辺で、ほぼ毎日どこかで更新工事が行われている。そんな駅周辺で今回、試験施工として採用されたのが、小口径の非開削更生工法として定評のあるEX工法。施工現場では、駅前から小田原城へ通じる「お城通り」で、日中は交通量も多い商業施設である。布設から47年が経過した陶管(口径250)による約34mの管路が更新対象となった。
同市の下水道を管理する小田原市下水道部、下水道整備課の星野朗さんは、EX工法について、「塩ビは耐久性などの材料特性が優れていることは、よく知られています。その塩ビを使ってマンホール間のワンスバンをシームレスで更生できるのは大きな魅力。工事後の長期に渡る性能維持が期待できるのではないか」と感想を語った。
工事は商業地を考慮して、22時から翌朝5時までのスケジュールで行われた。工事車両がスタンバイすると、パイプウォ―マー車の中でEXパイプ(自立管タイプ)の過熱が始まる。高圧洗浄機で既設管内の清掃を終えると、EXパイプの挿入をしやすくするため、プラスチック製のスリップシートが管内に引き込まれた。約73℃以上に加熱され柔らかくなったEXパイプは、挿入側のマンホールから到達側のウインチで管内に引き込まれた。挿入が終了すると、両端を閉じ、蒸気でEXパイプを加熱膨張させ、既設管内に密着させた。管内を冷却した後、取付け管の穿孔や管端の処理が行われて工事は終了した。

EX工法による試験施工

施工現場となった駅前の「お城通り」。

A:挿入側 B:到達側

EX工法による試験施工

①挿入側

EX工法による試験施工

EXパイプの滑りをよくするスリップシートの挿入

EX工法による試験施工

拡径のための蒸気で加熱

②到達側

EX工法による試験施工

ウインチでEXパイプを引き上げ

③パイプウォーマー車

EX工法による試験施工

蒸気でEXパイプを約73℃以上に加熱

滑らかな管内面に甦る

施工を担当したのは、EX工法による更生工事で長年の実績がある株式会社大阪防水建設社。工事を指揮する同社、東京支店PM工事部の栗山浩司さんは、「曲がり部やパイプの継ぎ目の段差部などでしわが発生しにくく、仕上がりがすごく滑らかである」とEX工法の長所について語った。その言葉通り、工事終了後、撮影された映像を確認すると管内面は非常に滑らかで、まさに新管のごとく甦っていた。
今回、小田原市で初めてのEX工法による更新工事ということで工事に合わせてEX工法の見学会が行われた。深夜の工事にも関わらず、多くの職員が参加され、工事を間近で見学された。この試験施工後も、すでに別の更新工事でEX工法の採用が決まっており、今後益々EX工法の活躍が期待される。

消火用屋外給水施設の例

工事現場見学会には、小田原市職員が多数参加された。

EX工法による試験施工

連続パイプを生み出す小口径管路の非開削更生法

下水道管として50年以上の使用実績のある硬質ポリ塩化ビニル製

EX工法による試験施工
EX工法による試験施工
特長
  • 優れた耐食性、耐摩耗性
  • 新設管同様の耐震性
  • 未硬化のない安定した品質
  • 臭気の発生、火災の心配がない
  • 端材はリサイクル可
  • 加熱、拡径・冷却のスピード施工