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農業分野
2017/06/20

宮崎のかんがい用配管に採用された「SGR-NA-F異形管φ600」

活用事例

宮崎県西諸地域でかんがい施設を建設

宮崎県南部の小林市、えびの市、高原町にまたがる西諸地域は、 全国でも有数の農業地域であり、畑作を中心に稲作、果樹園芸でさまざまな農作物を産出している。野菜では、さといも、ほうれん草、キャベツの出荷量が多く、またメロンやマンゴーなど付加価値の高い果実の生産も盛んである。

しかしこの地域では、主な露地野菜の播種や定植期となる7月下旬から10月まで は降水量が少ない年が多く、さらに保水性が低い火山灰土壌のため農作物の生育に影響を与え、不安定な農業経営の原因となっていた。

国は地元農家の要請を受け西諸農業水利事業を立ち上げ、農業用水を送るため岩瀬川に「浜ノ瀬ダム」を建設し、幹線・支線用水路、ファームポンド(貯水池)などを建設している。さらに、宮崎県は畑地への水路や散水施設の整備、農地の区画整理などを行い、国と県が一体となってこの地域の安定的な生産を支援する計画を進めている。

国営事業の一期工事である浜ノ瀬ダムの建設は、平成29年からのダム併用開始に向け工事が最終段階に入っている。二期工事では、総延長距離102kmにおよぶ幹線・支線水路、25基のファームポンド、9基の揚水機場の工事が行われ、平成29年度末の完成を目指している。これらが完成すると、1日当たり36万トンの農業用水が利用できるようになり、4150haの農地を潤すことになる。

かんがい事業の分担イメージ

FRP製継手でコストダウン

今回紹介する工事は、相牟田支線水路の調圧水槽からの排泥管と余水吐管の統合管の布設工事である。ダムの水をそのまま農業用水として使用するため、ファームポンドや調圧水槽など水を溜める場所で砂や泥が溜まりやすくなる。排泥管はそれらを清掃するための管路である。すでに調圧水槽から口径500の管路が完成しており、そこから片落ち管で口径600に引上げ、約245m先の用水路まで配管する。

この余水吐管に使用されたのが、クボタケミックスのSGR-NAVUパイプとSGR-NA-F異形管(ともに口径600)である。SGR-NA-F異形管は、FRP(繊維強化プラスチック)製の継手で口径600が新たに品揃えされたばかりだ。口径600の大口径では、これまで鋼板製の製品しかなかったが、SGR-NA-F異形管の採用で工事コストを抑えることができると言うのは、農林水産省、九州農政局、西諸農業水利事業所の河村栄二さん。「材料コストはもちろんですが、SGR-NAVUパイプもSGR-NA-F異形管も軽量で、かつゴム輪接合ですから鋳鉄管に比べて施工性が良いのが大きな特長です。ゴム輪接合は鋳鉄製のメカ接合と比べて熱練工を必要とせず、施工管理でもメリットがあります」と採用の理由を語った。

西諸農業水利事業概略

西諸農業水利事業概略

ゴム輪接合で施工性アップ

SGR-NAVUパイプの釣り卸し
SGR-NAVUパイプの釣り卸し

施工現場でまず驚かされるのが、管路の大きさだ。口径600は塩ビ製では最大級の管路であり、扱いはもちろんパイプ、継手ともに重機である。掘削溝にパイプと継手をクレーンで釣り下し、パイプ表面およびゴム輪受口に滑剤を塗布して荷締め機二台を使って挿入していく。非常に手際のいい作業で、接合に要する時間は部材を釣り降ろしてから5分程度であった。

現場の指揮をとる大幸建設株式会社の吉留利明さんは、SGR-NAVUパイプおよびSGR-NA-F異形管の施工性について、三つのポイントを指摘した。
「まず、両方ともゴム輪接合なので、鋳鉄管と比べて接合が断然早い。鋳鉄管のメカニカル接合は10か所以上のボルト締めとなり、その後の締付けトルクの確認もあるため、要する時間は比べものになりません。また、両方ともかなりの重量ですが、人力で微調整ができます。さらに、SGR-NAVUパイプの切管とSGR-NA-F異形管は陸継ぎができるため、 掘削溝内での作業を減らせることができます」

SGR-NAVUパイプの接合
SGR-NAVUパイプの接合

大幸建設株式会社の太田丈博さんによると、施工現場は傾斜があるので管底は地表から約5mから2mとかなり幅があり、布設距離も掘削深さでかなり変わるとのこと。 一日平均では、約15mとなるそうだ。

平成29年度中には、浜ノ瀬ダムから一部の地域に通水が始まる予定である。 今回、国が行う余水吐管工事として最大口径の塩ビ管とFRP製継手が採用され、また宮崎県が行う各田畑への管路工事に多くの塩ビ管が使用されているという。農業分野でもプラスチック管路が欠かせない存在になっていることを実感させる施工現場であった。

SGR-NA-F片落ち管500×600の接合