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工場
2018/09/27

食品工場の冷却塔に採用された「圧力用高密度ポリエチレンパイプ」

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冷却塔の配管に使用されてきた金属管

ビルや工場などの空調設備あるいは様々な冷却設備として、建物の屋上などに設置されることが多い冷却塔(クーリングタワー)。冷却塔は、冷凍機で使用され温度が高くなった水を、送風機で強制的に送り込んだ外気と接触させ、温度を下げて再び冷却水として冷凍機に戻すための設備である。

この冷却水の循環配管には、亜鉛めっき鋼管(白ガス管)をはじめ、塩ビライニング鋼管、ポリ粉体鋼管、ステンレス管など金属管が一般的に使用されている。金属が使用される大きな理由の一つが、露出配管されることが多く、耐候性はもちろん適度な強度が要求されるためだ。

溶接をしないで配管できるポリエチレンパイプ

そんな冷却水の露出配管に金属管ではなく、クボタケミックスの圧力用高密度ポリエチレンパイプが採用されるということで、神奈川県藤沢市にある株式会社スワロー食品を取材した。同社は、日本で唯一の春巻きの専業メーカーとして、様々な春巻き商品を製造している。

これまで工場の屋上に設置していた冷却塔が、設置後20年以上が経過し、設備の更新が計画された。株式会社スワロー食品、製造部設備課の的場力さんは、「まだ使用できるかもしれませんが、工場が稼動しているときに冷却塔が故障することは絶対に防がないといけません。早めの対策は設備管理者として重要な仕事です」と早期対応の重要性を強調した。

食品工場の冷却塔に採用された圧力用高密度ポリエチレンパイプ

また、工事を行う上で重要視したのがその安全性である。

「施工会社さんには冷却塔およびその配管工事は、火は使わないことをお願いしました。工場周辺は住宅街で、近隣には学校があり学生が工場の前を頻繁に往来します。僅かな火の粉でも屋上から降れば、会社の信頼性を損ないかねません」。

軽い、錆ない、塗装手間なし

火が使えないということは、鋼管などの溶接はできない。「鋼管など金属管に代わる管材を提案するため、方々の管材商社に問い合わせをしました。その結果、ようやくたどり着いたのがクボタケミックスの圧力用高密度ポリエチレンパイプでした」と笑うのは、施工を担当した田中土建工業株式会社、藤沢支店の工藤徹さん。しかし、工藤さんが圧力用高密度ポリエチレンパイプを提案した理由は火を使わないことだけではない。金属管に比べて1/4から1/5程度の軽さなので、工場の屋上部に上げる重機は必要ない。さらには、鋼管のように塗装が必要ないので後々の手間も省けるのである。当然、プラスチックなので鋼管のように錆びることがない。それら金属管に勝る特長が評価されて圧力用高密度ポリエチレンパイプの採用が決定した。

現場施工に適したポリエチレンパイプ

資材搬入用の仮設階段と旧冷却塔
資材搬入用の仮設階段と旧冷却塔

古い冷却塔を残したまま、新しい冷却塔の設置とその配管を行い、完全に性能を確認したところで冷却水の配水を切り替え、古い冷却塔とその配管を撤去するというのが工事の概略である。

最初に新しい冷却塔を設置する架台を取付け、処理水量が異なる大小2基の丸型開放式冷却塔を設置した。管材を搬入する仮設階段を歩道側の敷地内ぎりぎりに設置し、工場が稼動する平日でも資材を運び、配管ができる体制を整えた。非常に狭い仮設階段でも圧力用高密度ポリエチレンパイプ(呼び径125)は、1本が約33kgなので2人で運び上げることができた。

 圧力用高密度ポリエチレンパイプによる配管は、既設の鋼管から流入する冷却水を2基の冷却塔上部に配水する往きの配管と、冷却塔下部から排水された冷却水をポンプで再び既設の鋼管に戻す還りの配管に分れる。パイプの接合は水道や建築分野でもおなじみの電気融着(EF)接合である。施工できる場所は、新旧冷却塔の間の1mもない非常に狭いスペースであるが、パイプの切断、表面の切削からコントローラによる通電まで滞りなく行われた。

新冷却塔(左)と旧冷却塔(右)
新冷却塔(左)と旧冷却塔(右) / 限られた施工スペース

今回、始めてポリエチレンパイプの電気融着接合を行った工藤さんは、「最初に施工指導をしてもらったので、後は決められた工程を確実にやるだけでした。鋼管で接合部を溶接していくことと比べれば、電気融着接合は楽で時間も短縮できます。また、パイプも現場で簡単に切断できますから現場施工に向いていると思います」と施工性の良さを指摘した。

工事終了後も新しくなった冷却塔および配管の評価は高い。株式会社スワロー食品の的場さんによると、圧力用高密度ポリエチレンパイプの特徴である黒色について、見栄えが良く社内でも高評価を得ているとのこと。「これまでは配管部分を隠すようにカバーで囲っていましたが、それもなしで外から見えるようにしました」。今回の工事を踏まえて、工場用配管材として関連工場等でも採用の検討がされるという、うれしい話を聞くことができた。

EF継手と直管の電気融着接合

EF継手と直管の電気融着接合

冷却塔とポンプ部分の配管

冷却塔とポンプ部分の配管

往きの配管部 2基の冷却塔間にはバルブを設置

往きの配管部
2基の冷却塔間にはバルブを設置