よくある質問 ソルベントクラックとはなんですか?
ソルベントクラッキングとは、ストレスクラッキング(応力亀裂)の一種であり、溶剤(solvent)の加わったときに生じる亀裂現象を特に区別していう。
塩ビ管の場合は、
(1)溶剤の存在(接着剤・防腐剤など)
(2)応力(熱応力・TS接合部の応力・生曲げなど)
(3)低温下での配管の3要因が加わったときに発生することがあります。
(1)溶剤の存在(発生原因)
管路の密閉、接着剤の過剰塗布など
※接着剤をたっぷり塗った方がよいというのは誤りです。
【対策】接着剤は必要以上に塗布しない
●受口内面には接着剤を薄く均一に塗布し、管内面への接着剤のはみ出しをなくす。
●管差口には、標線以上にはみ出して接着剤を塗布しない。
●管挿入後は、はみ出した余分な接着剤をウエスなどで必ずふき取る。
(2)応力の発生(発生要因)
管の生曲げ、配管支持にUボルトの使用など
【対策】管接合部に応力が発生しないように注意
●管は生曲げせず、曲がり部にはベンドを使用する。
●配管支持にUボルトは絶対使用しないでください。
●配管支持には幅広のサドルバンドを使用してください。
(3)低温化での配管(発生要因)
冬期配管など
※溶剤が蒸発しにくい冬期には、管内に残存しやすくなります。
【対策】配管後は溶剤が滞留しないように注意
●管内に溶剤蒸気が残らないよう管路は開放し通気を良くする。
●送風機(低圧仕様のもの)などで排除する。呼び径50以下は30分、呼び径65以上は1時間程度経過後の無圧通水も効果的。
【注意事項】
・接着剤使用時に、溶剤特有の刺激臭のないものや粘りすぎたものは、接着効果がないので使用しないでください。また、粘った接着剤に何らかの溶剤を加えて再使用することも避けてください。
・接着剤を塗布したまま放置すると、接着剤が乾燥して接着不良の原因となります。特に夏期などの高温時や風のあるときは注意が必要です。接着剤を大きい容器に入れ替え幅広の刷毛を用いたり、管の差口と受口は手分けして同時に塗布するなど、接合の段取りを十分に考慮してください。
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