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離脱防止金具(ドックラー)の使用基準について教えてください。 |
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1.どうして離脱防止金具が必要なのか?
スラスト力による接合部抜け防護(スラスト対策)として離脱防止金具は使用されます。
配水管は、静水圧0.75MPa以下の圧送管路です。管路の異形管部(曲管、T字管等)では、内圧の不均衡によってスラスト力が発生します。(曲管の場合、曲りの外側に移動する力が働く)
例えば、図-1のゴム輪形曲管の場合、スラスト力(W)より異形管単体が受ける背面土圧(fn)が小さいと、接合部が抜けることになります。
そこで、抜け防止対策として図-2のように離脱防止金具を異形管に取り付け、長い異形管とします。
そうすると、異形管背面に受ける土圧の抵抗(fn)や管と土の摩擦抵抗(fs)が増えるので、スラスト力に抵抗できるようになります。
必要な一体化長さ(L)は、計算で求めることができます。(3.に記載)
<補足1>
その他のスラスト対策としてコンクリートブロックを設けることもあります。
簡単にいうと、スラスト力に抵抗するだけのコンクリートを異形管に巻き立てる方法です。スラスト力に抵抗できる大きさを計算で求めます。
<補足2>
農水パイプラインは、スラスト対策の考え方が異なります。
水道(配水管)の場合は、基本的に異形管部は全てスラスト対策をします。
しかし、農水パイプラインは、異形管単体の土圧で抵抗できる場合は、スラスト対策が不要と考えます。(安定計算をして必要なところだけスラスト対策を行う)
2.どのような場所でスラスト力は発生するのですか?
スラスト力は、以下の場所で発生します。・・・()内は異形管の種類
従がって、これらの異形管部でスラスト対策が必要になります。
(1)曲がり部 (ベンド、エルボ)
(2)分岐部 (チーズ、T字管)
(3)管径変化部(径違いソケット、片落ち管)
(4)管端部 (キャップ、フランジ止め)
※直線部は内圧の不均衡が起きないのでスラスト力は発生しません。
3.一体化長の計算方法は?
塩ビ管・継手協会発行の「水道用硬質塩化ビニル管技術資料」に計算方法と計算例が掲載されておりますので、ご参照いただきますようお願い致します。
塩ビ管・継手協会ホームページ
https://www.ppfa.gr.jp/publication/publication_03.php