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建築分野
2016/07/26

人に優しい理想の空調システム「放射空調 b!klimaxシステム」

活用事例

近年、新しい空調システムとしてヨーロッパで急速に広がっているのが、「放射冷暖房」。
日本で普及している対流式空調と異なり、天井に設置する放射パネルに冷温水を循環させ、室内の温度を調節します。温度の偏り、ほこり、送風音など対流式空調の問題を解決する空調として、日本でも注目され始めています。

今回は、放射式冷暖房の特長ならびにクボタケミックスの放射空調 b!klimaxシステムを紹介します。

クボタケミックスの放射空調 b!klimax

 

放射とは

冷暖房は、熱が高い所から低い所に移動する性質を利用したもので、熱の伝達には三つの様式があります。

  • ①「伝導」は、物体を媒体として熱が流れる現象をいいます。
  • ②「対流」は、物体の周りの空気や水などの流れによって熱が移動する現象をいいます。
  • ③「放射」は、物質を介さず、熱が高い所から低い所へ流れる現象をいいます。

いい例が、日なたぼっこです。気温が低くても日光が当たっているところは暖かく感じ、これは太陽から出される遠赤外線の効果です。

また、夏場のトンネル内で涼しく感じることも放射によるものです。

放射とは

放射空調システム

この放射という性質を利用した空調が放射空調システムです。

夏季には天井に内蔵されたパイプに冷水( 16.20℃)を流し、天井パネルの温度を下げることで身体から熱を奪います。

また、冬季には天井に温水( 30.34℃)を流し、天井パネルの温度を上げることで身体から熱を奪われにくくします。

放射空調システム

 

対流式空調の問題点

①送風口付近と離れた場所で温度差ができる。 直風が当たる

②室内の高低で温度差が生じる。

温度ムラ

③フィルターのほこり、カビ、ウイルスがまき散らされる。

ホコリが舞う

④ファンの音がうるさい。

直風が当たる

⑤ファンやフィルターを頻繁に清掃する必要がある。

フィルターのメンテナンス

これらの問題点を解決できる空調として期待されているのが、放射冷暖房です。

 

放射冷暖房 b!klimaxシステム

クボタケミックスは、放射空調システムを導入するため、すでにヨーロッパで実績のあるイタリア、RDZ社のb!klimax(ビークリマックス)システムの採用を決定しました。
次に、b!klimaxシステムについて説明します。

フィルターのメンテナンス

まず、熱源①で作られた冷温水は、往きの管路でポンプ機能を持つ熱源制御ユニット②に送られます。 さらにマニホールド(分岐管)③に送られ、分水し、各ディストリビューター(分岐継手)④に送られます。 冷温水はディストリビューターで分けられて、各放射天井パネル⑤に入り、放射天井パネルの表面温度を調整します。

放射天井パネルのパイプ内を通過した冷温水は、還りの管路で熱源に戻り、再び加熱/冷却して循環します。
放射天井パネルへの冷温水の循環とは別に、空気調和器⑥を設置し、除湿(夏季のみ)・換気を行います。 この空気調和器で取り込んだ空気を冷却するため熱源制御ユニットから冷水を送ります。

これら冷温水人に優しい理想の空調システム「放射空調 b!klimaxシステム」の送水は、 酸素透過防止機能付きポリブテンパイプ⑦を使用します。 次に、b!klimaxシステム部材について説明します。

 

放射空調システム構成部材

①熱源:水道水を加熱、冷却して冷温水を作ります。

②熱源水制御ユニット:ポンプ、パイプをコンパクトにまとめたキット。冷温水を各天井パネルや空気調和器に送水します。

熱源水制御ユニット

③マニホールド(分岐管):軽量で耐食性に優れたプラスチック製。水の不純物を取り除くためのストレーナーを付属しています。

マニホールド

④ディストリビューター(分岐継手):軽量で耐食性に優れたプラスチック製。差し込むだけで接続が完了するワンタッチ式継手です。

ディストリビューター

⑤放射天井パネル:グリッドシステム天井設置型と在来天井取付型の2種類があり、いずれもパネル内にパイプを内蔵しています。

放射天井パネル

⑥空気調和器:夏季に室内の除湿、換気、循環を行います。

空気調和器

⑦酸素透過防止機能付きポリブテンパイプ:耐久性、可とう性に優れたポリブテンパイプ。サビの発生を防ぐ酸素透過防止機能を備えています。

酸素透過防止機能付きポリブテンパイプ


※現時点で①、②,⑥に関してはクボタケミックスの取り扱い予定はございません。

b!klimaxシステムの特長

放射冷暖房と対流式空調の性能比較

  快適性 静音 メンテナンス性 安全性 長寿命 ランニングコスト 環境性 レイアウトの自由度
放射冷暖房
対流式空調

:優れる、▲:やや劣る、:劣る

 

(1) 快適性/健康面

冷房の場合は、表面温度約20℃に冷やされた放射天井パネルが、人体の放射熱を吸収するため、部屋の場所に関わらず均一に涼しさを感じることができます。
そのため対流式空調のように冷風が直接あたる所だけ寒いということはありません。
一方、暖房の場合は、放射天井パネルの表面温度が30℃強に暖められ、人の表面温度32℃とほぼ同じで寒さを感じず、快適に過ごすことができます。
また、暖かさが部屋全体に行き渡るため、「頭がぼーっとする」とか「足下だけが寒い」ということが起こりません。
放射式冷暖房は、空気をかき回すということがないので、ウィルスやほこりを巻き上げることなく、空気感染を防ぐ等のメリットも指摘されています。

 

(2) 音の静けさ

送風機からの送風音がないので、静かな室内環境を保てます。

 

(3) メンテナンス性

冷温水の配管には酸素防止機能付きパイプを使用しているので、機器の錆を防止し、詰まる心配がありません。
また、パイプと継手は厳しい試験条件で性能を確認しているので水漏れの心配がありません。
フィルターやファンが無いため、それらを清掃する必要がありません。
調整や設定が必要なことは、熱源水制御ユニットに集約でき、ポンプやバルブなどのメンテナンスが必要な機器は機械室内に集約できるので、冷暖房を実際に使用しているオフィスなどで作業をする必要がなく、使用者に迷惑をかけません。
メンテナンスの手間は、対流式空調に比べて格段に削減できます。

 

(4) 安全性

室内に燃焼機器を設置する必要が無く安心です。
また、天井に設置するため、子供が触れる心配はありません。
壁に設置することもできますが、表面の温度は夏で約20℃、冬で30℃強と常温に近いため触っても、やけど等の心配はありません。

 

(5) 長寿命

冷温水を通すパイプはプラスチック製で、長期耐用試験により50年以上使用できることを確認しています。
※ただし、冷温水を作る熱源器は、一般的なエアコンと同程度の耐用年数となります。

 

(6) 環境性

対流式空調に比べて省エネで、二酸化炭素の排出量を削減します。
デシカント空調機器※1などと組み合わせて、潜熱と顕熱を分離して熱処理する「潜顕分離空調※2」を行うことで、温度制御にムダなエネルギーを使うことなく、快適な室内環境を創ることができます。


※1:在来方式では結露するまで温度を下げることで空気内の水分量を除去し、その後再加熱をすることで低湿度の空気を作り出しています。
一方デシカント空調機器では、乾燥剤や除湿剤を用いることで温度を変えることなく湿度だけをコントロールすることができます。
そのため、過度に冷やしたり、再加熱と言ったエネルギーロスが少なく、省エネにつながります。
※2:潜熱と顕熱を別々に処理することで、従来の過冷却を行う空調設備と比較して冷水温度を上げる(7℃↓ 18℃)ことができ、熱源効率を上げ、消費電力で約20%の省エネ化が可能です。

 

(7) ランニングコスト

放射式冷暖房は対流式空調に比べて夏季は+2℃、冬季は-2℃でも同じ快適性が得られるといわれており、省エネにつながります。
地下水、地中熱、太陽熱などの再生可能エネルギーと組み合わせることで、さらなる省エネとランニングコストの低減が促進できます。


また、メンテナンスコストも下げることができますから、トータルで大きな削減になります。
※家庭用デシカント空調機を併用することで、潜熱顕熱分離処理を行って効率化を図ると共に、放射空調の特徴である低質熱源の利用(再生エネルギーである太陽熱)を併用することで25%以上の省エネ効果(通年)を見込むことができます。

(8) レイアウトの自由度

冷暖房の機器類が出っ張ることがないので、家具の設置に制限がありません。
好みの壁紙で天井を仕上げたい場合には、石こうボードタイプもあるため、壁紙にも制限はありません。


また、木造、鉄筋コンクリート造り等住宅の構造は問いません。
熱源機の場所によりますが、1階だけでなく2、3階での使用も可能です。
※パネル背面でのパイプ接合等の作業が必要となりますので、天井裏にある程度のスペースが必要となります。